【浅野川界隈】
昨日の台風18号が嘘のような快晴、台風一過というのでしょうか、今日も青空に誘われ外に飛び出していました。なんやかやと理由を付けて、出歩いています。
昨日は、テレビで京都の渡月橋の様子を見ていたら平成20年(2008)の浅野川の氾濫が思い出され、浅野川に行こうと思い立つと、心配!!危ない!!アホや!!ダラや!!の声を背に、ゴルフの合羽に長靴で家を飛び出しました。
小雨が降る中、突風に傘が取られそうになり、閉じて小脇に抱え、下石引の通りを歩き兼六園に入りました。台風にも関わらず、思っていた以上に観光客が多く、私も何時ものコースをゆっくり一周りして金沢城に抜け30分ぐらいかけて天神橋に着きました。
幸い金沢では雨も風もたいした事はなく、浅野川は土色の濁流が音を立てて流れているものの、小橋の可動堰は上げられていて、水面は思っていたより低く、あふれる気配は全く無く、かなりの速さで流れていました。その日は久しぶりに天神橋のところから河川敷に下り大橋辺りまで歩きました。
平成20年(2008)の水害で問題になった「角落し」は早々と閉じられたらしく、大橋の辺りで道路に出ようと思うと道は「角落し」が降りていて乗り越えて通りにでました。
今回の台風18号は、たいした事もなく、浅野川でも全く何もなく通り過ぎました。あれから5年間、小橋の新しい可動堰は今工事中ですが、梅の橋から大橋間の「角落し」の改修や、常盤橋から昌永橋まで浚渫工事、また辰巳ダムの完成から上流の浅野川放水路の放流量の制限解除と対策は怠りなくですが、今回の台風18号騒ぎでは、人力でなければ出来ない「角落し」が速やかに閉鎖されたことが何よりでした。
9月の浅野川といえば、“秋の七つ橋渡り“ですが、日本でも珍しいこの民俗行事を毎年秋の彼岸前に、言い伝えや約束事などを伝えるために、昼間の浅野川沿いの風情と名所を辿る散策会も兼ねて開催しています。
今年は、すでに2回。あと2回ガイドをすることになりますが、この行事は、長患いで寝たきりになり、子供や嫁に下の世話にはなりたくないと言う思いから、明治の頃、浅野川周辺に住む女性達により密かに続けられてきたといわれています。合理性に欠けるように思われがちですが、何とも金沢人らしい“思いやりの気持ち”が伝わってくる心優しい行事のように思えます。
” 風去りて 思いをこめて 橋渡り”