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師走の近江町はマッカッカ

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【浅野川大橋→小橋】
金沢市民の台所“近江町”の今頃は平台がマッカッカになります。鮮魚、青果、飲食、精肉、食料品、衣料など180店舗もあるのに、30店舗に満たない鮮魚店の店頭のマッカッカが、やたらに目に付きます。もちろん鮮魚店の売り場面積が大きいということもありますが、食い意地が目を輝かせるのでしょうか、とにかくあの赤には圧倒されます。


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(カニ解禁11月6日)

マッカッカとは“加能ガニ”のことで、本名はズワイガニ(楚蟹、津和井蟹)です。字引では学名 Chionoecetes opilio といい十脚目ケセンガニ科に分類されるカニで、深海に生息する大型のカニ。重要な食用種でもある。と書かれていて、字引からは、おいしさは全然伝わってきませんが、おいしさは蟹足の小口がきらきら光るお造り、ゆでがに、蒸しがに、焼きがに等など、近江町では、この時期、これ以上おいしいものはないとばかりに大声を張り上げます。


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(マッカッカの平台)


“加能ガニ”は、福井では「越前ガニ」。山陰では「松葉ガニ」と呼ばれているものと同種のものですが、石川県では、これといったブランド名がなく、「石川県産ズワイガニ」や「石川産ズワイガニ」などと呼ばれていて、ブランド名のある「越前ガニ」や「松葉ガニ」と比べると知名度が低く、全国的には、蟹そのものまでランクが落ちるように見られていました。


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(ワケアリ加能ガニ)


平成18年(2006)9月1日に石川県漁協(JFいしかわ)が発足したことを記念して「石川県産ズワイガニ」に名前を付けることになり、公募した結果1015通の応募があり、“百万石ガニ”“兼六ガニ”などの候補を抑えて「加能ガニ」が選ばれました。加賀の「加」と能登の「能」の組み合わせで、石川県全体をイメージできるということから「加能ガニ」に決定したそうです。


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(青タグの付いた「加能カニ」)


「加能ガニ」は競争力強化につなげる狙いから付けられたブランド名ですが、県民には加賀、能登!ハハ~ンなるほどとピピ~ンときますが、命名から6年目、知名度においては、現在は、なかなか対抗馬の”越前””松葉”には及びません。中身は同種で最上級品、水揚げの場所が違うだけだと聞いていますが、ブランド名の全国的な浸透には、まだまだ時間が掛かりそうです。


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(足折れのサービス品・加能ガニ)

魚場の近い能登沖から生きたまま水揚げされ、鮮度も品質も抜群の天然ガ二ですから、北陸新幹線が来る頃には、かなり浸透していることでしょう。ちなみに、平成23年(2011)3月18日に商標登録もされました。


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(どこ産のズワイガニだろう)


(北海道産、オホーツク産、ロシア産、カナダ産、韓国産、北朝鮮産のズワイガニとは値段が違うだけではなさそうです。)


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(青タグのイラスト)


「加能ガニ」の品質は、水揚げ港により橋立港、金沢港、福浦港、石川とぎ港、輪島港、蛸島港、と刻印した青のタグが付けられています。タグは船主が管理し、船主が品質に自信の持てるカニだけに付けるそうです。また、資源保護のため11月6日から3月の20日までの約5ヶ月間と短期間だけの漁獲です。


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(茹でたての香箱ガニ)


(内子が絶品の雌の「香箱ガニ」は雄の“加能カニ”より漁期が短く11月6日から1月10日までだそうです。昔は、子供の頃はオヤツ代わり、その後一時、網にかかるものだけで、獲ることが禁じられていたこともありました。)


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(カニ以外のマッカッカ)

暇に任せて、郷土贔屓から「加能ガニ」のことを書きましたが、カニは、書くより、見るより、食べるものですねェ。


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