【金沢……】
前回の”ワシントンの桜”のつながりから、平成22年(2010)年3月に劇場公開された金沢発のご当地映画「さくら、さくら サムライ科学者 高峰譲吉の生涯」の話を進めようと思いました。この映画は、金沢で育ったアドレナリンの発明者の高峰譲吉博士の伝記で、翌平成23年(2011)5月の公開された「TAKAMINE~アメリカに桜を咲かせた男」の2部からなる作品で、ワシントンのポトマック川沿いに桜並木を植え、日米の懸け橋となるべく、奔走した伝記ドラマでした。
この映画の製作は、従来のご当地映画とは違い、地方を題材に地方発、全国公開の映画で、製作の総指揮(エグゼクティブ・プロデューサー)は地方紙の北国新聞社で、日本で一流といわれるスタッフ・キャストを起用した製作委員会が制作し大手の映画会社が配給したもので、今回から“高峰譲吉伝”を書こうと思っていましたが、その製作体制について興味を覚え、はじめだというのに、もう脱線してしまいました。
詳しいことは分かりませんが、この映画は、地方発という新しいカタチのご当地映画のように思へ制作体制を調べて見ますと、北国新聞社では何作かがこのようなカタチで製作されているのに気付きました。
このような制作体制で制作された映画に、地方紙北國新聞社が創刊115周年記念として出資し、平成20年(2008)3月に公開された「能登の花ヨメ」や平成20年2008年11月に虫プロダクションが制作にあたったアニメ映画「パッテンライ!! ~南の島の水ものがたり~」がありました。
それ以来、北国新聞社が主体で、石川県を中心とした企業や団体、個人からスポンサーや賛助を受け、前出の高峰譲吉伝2作品、平成22年(2010)11月には、映画「武士の家計簿」が製作され、大ヒットを飛ばしたのも記憶に新しく、昨年平成25年(2013)の暮れから公開の「武士の献立」も上々の観客動員だと聞いています。
近年、めったに劇場へ足を運んでことがなかった私も、関心がある地元の題材や北国新聞社やそれに繋がる媒体上げての大宣伝に煽られて、いずれの作品も劇場で大画面を楽しく鑑賞させていただきました。そこで終わっておけばいいのに、また癖で余分なことまで気になりだしたというわけです。
近年の映画製作は、映画会社単独で行われることはほとんどなく、映画会社はその配給網を使い、放送局や出版社などのメディア企業とともに映画を製作する製作委員会方式をとるようです。これは一時的に業務内容が異なる分野の多数の企業が集められ協力しあい映画製作を行なうもので、各団体や企業が多額の資金を必要とする映画製作に対して出資や直接的に関わり成功の導く方法だそうです。
(北国新聞社の掲示板)
素人考えですが、どうもこの委員会方式に、さらに地方とか地元へのこだわりがプラスされたものが北国新聞社方式なのか、製作された映画から地方の“観光促進”はもちろん住民の“ふるさと学習“にも繋があり、今後も、さらなる企業や地元の協力、そして中央省庁のコンテンツ産業への後押しがあれば、興業的にも成功が望め、コンテンツ次第ですが、”柳の下のドジョウ“は、まだまだ2匹や3匹ではないように思えてきましす。