【武蔵ヶ辻】
毎年、金沢アートグミギャラリーでは、金沢市内及び近郊のアート系の大学や専門学校の卒業制作展から、金沢アートグミ会員がセレクトした作品を集め「卒展セレクション」と銘打ち展覧会を開催しています。今年は3月21日(金)より、期間中に来場のお客様に作品人気投票を行ってもらい、その中から、金沢アートグミが最終的に選出した1名を今後、様々なサポートすることになります。
(今年は、「卒展コレクション×センバツ展2014」で、ギャラリーアルトラとのコラボです。)
(金沢モダニズム再考―1930年代の地方都市―)
例年、結果として展示される作品は平面と立体、工芸が選ばれていましたが、今回は金沢美術工芸大学の卒業制作展を見た会員の何人かが芸術学専攻修士課程の小川玲美子氏の修士論文「金沢モダニズム再考―1930年代の地方都市―」も推され、今年初めて論文が選出されました。
(金沢モダニズム再考のコーナー)
私も金沢美術工芸大の卒展で、表題「金沢モダニズム再考-1930の地方都市―」を見ただけで嬉しくなりました。概要に目を通しただけで興味を通り越し興奮していました。昭和の初期、金沢の町にも鉄筋コンクリートのモダン建築が建ち始め、同時に文学、絵画などの芸術運動から演劇、映画、遊園地、さらにはダンスホールやカフューなどの風俗に至るまでモダニズムが浸透していったものと思われます。
(金沢モダニズム再考の資料編より)
金沢でのモダニズムは以前から関心がありました。建築物は、今も何棟が残り当時に思いを馳せることが出来ますが、今日、その時代の空気や具体的な活動をまとめたものがなく残念に思っていました。この論文は、有り難いやら嬉しいやら、出来れば手元に置いて置きたいと思いました。
序論の後、第1章金沢イメージの変遷、第2章モダニズム時代の変遷、第3章地方大衆文化からなり、第1章では幕末、明治に遡り産業、工業、軍都、学都、観光に至る都市論を具体的に、第2章では、大都市を目指す都市計画から外客誘致のための博覧会の開催やその後に影響、第3章では、モダニズムの影響が大衆文化に浸透していく金沢の様子が綴られていて、本論の他に「図版+付属資料1・2」からなり、金沢のまちづくりに携わるすべての人の必読の1冊であり、エールであるように思いました。
結論では「金沢という藩政期の威光を引きずる地域で「民間から」沈滞する街を自分たちなりのやり方で再考されようとした試みだと捉えられるのでは・・・」と結んでいます。
興味と関心の有る方は、下記≪卒展コレクション≫へ。
≪卒展コレクション≫
会期 平成25年(2014) 3月21日(金)-4月13日(日)
10時-18時 (4月4日(金)は21時まで) 入場無料 水曜定休
展示作品:卒業制作作品
投票期間|3月21日(金)-4月11日(金)
≪センバツ展≫
平成25月(2014)3月21日(金)-4月12日(土)
会場 ギャラリーアルトラ
11時-18時 入場無料 日曜定休
展示作品:出品作家の小作品や新作
石川県金沢市下堤町7 アルトラビル3階TEL 076-231-6698
www.gallery-artra.com