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治にいて乱を忘れず―旗源平

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【梅の橋→浅野川大橋】
1月27日(日曜日)雪が深々、昨日からJRが何本か運休という話もあり、やたらと寒い日。前から決まっていた金沢に伝わる子供の遊び“旗源平”のイベントを観光ボランティア“まいどさん”の有志が、ひがし茶屋街休憩館でやるというので、人出が心配になり朝から出掛けました。


市民が見つける金沢再発見
(雪が降りだした旧観音町)


午前中、3回のゲームを観光客に交じり、何人かの仲間と参加させて頂きました。久しぶりにサイコロを振り、“うめがいち”“チンチンかもかも”“しの~に”といっていると熱が入って子供の頃を思い出していました。


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(準備中)


どうも、この旗源平は、金沢だけに伝わる遊びのようで、源氏と平家の二手に分かれて,2人以上なら何人でも一緒に遊ぶことができ、ルールも簡単で2個のサイコロを振り,出た目によって相手の旗を取ったり取られたりというゲームです。

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(ゲーム中)

単純な遊びなのですが,特長は出た目の呼び方がなかなか面白い、たとえば、「1と1」なら“チンチンかもかも”といい、小旗2本。一番いい目は「1と5」で,これをサイコロの「5」の目を加賀藩の紋所は「梅鉢」に見立てて“うめがいち”は中旗1本でもう一回サイコロが振れます。また“にさまのカンカントウ”など、いまだに意味不明のものもあります。


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(うめがいち・最高の出目)
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(源平の旗)

最悪の目は「4と2」“しの~に”(死に通じるので最悪の出目)逆に自分から中旗1本を献上です。手持ちの旗は、最大の纏1本(小旗100本分)をはじめ、大旗1本(小旗50本分)、中旗5本(小旗50本分)小旗10本で、それぞれ笹竜胆と揚羽蝶に染め抜かれています。大中小の各旗はそれぞれ両替が効きます。


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(4の2・最悪の出目)


最後の纏は両替不可のため、手元に大旗・中旗を切らしているときに“うめがいち”中旗1本が出ると、まだ小旗があっても纏を取られてゲームセットと相成ります。また、時間を区切ったり、サイコロの振る回数を決めたりして、終わったところで旗の数で勝敗を決めるというやり方もあります。


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(得点と呼び方)


藩政末期の加賀藩では、平和な世にいても、万一のときに備えることを怠らないという教えを旗源平という子供の遊びの中に込めた知恵者がいました。


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(源氏・午前中は源氏が強かった)


そして、子供達に勝敗への拘りと勝利の喜びを教え、闘争心を植えつけたのでしょうか、私の記憶を辿ると、正月の旗源平は勝っても負けても、何時も興奮して、闘争心丸出し、途中から腹を立てたり、怒ったり、最後までやった記憶がありません。

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(ゲームが終ったら花嫁暖簾をくぐってお茶の接待あり)

加賀藩では、国を護るため、隠れ蓑として能や茶道、美術工芸など文化政策を前面に出し、しかし、一朝ことある時に対処出来るように、例えば、武士の足腰を鍛えるため鮎つりを武家だけのものにしたり、庶民に獅子舞の稽古と言いながら、秘かに武芸の稽古をさせたり・・・、子供の遊びの旗源平も、それらと同じとは言わないまでも、“そうかも”と思わせる加賀藩らしさが窺わせます。


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(お知らせのポスター)

それにしても、足軽土方某の考案といわれていますが、笹竜胆の白旗、揚羽の蝶の赤旗、うまい事考えましたネ。家臣には源氏や平家を名乗る家もありますが、前田家は菅原姓で何の問題もなかったのでしょう。


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(会場のひがし茶屋街休憩館)

これが“葵”と“梅鉢”だったら・・・、そんな事あるわけないですネ。


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