【ひがし茶屋街休憩館】
毎年この時季に「昔の金沢のお正月」をという事で、金沢に昔から伝わる「旗源平」をまいどさんの仲間が開催しています。今年はもう一つ「福笑い」が加わりました。「福笑い」は金沢だけの正月の遊びと言う分けではなく、全国的な正月の遊びで、小学生向け雑誌の1月号に付録として付いていたような気がします?大体は“お多福”か“鬼”の顔で、目、鼻、口そして眉毛やホッペタは少し厚手の紙で千切って離せるようになっていました。
目隠しをして、顔が描かれた用紙に、目・鼻・口などを置く遊びですが、美人のお多福の顔が、崩れてひょうきん顔になったり、恐いはずの鬼の顔が間抜けな顔になったりと、意外がさらに意外を呼び大笑いを誘い“笑う門かどには福来る“と、一年のスタートを家族や一族がみんなで明るく楽しく過ごす昔の人の知恵がにじむ遊びでした。
しかし、最近は、子供達が大勢集まるお正月も少なくなり、他に楽しい遊びも出来、「福笑い」などチャンチャラ可笑しいとこともあるのか、雑誌の付録どころかおもちゃ屋にも売っていなく、もっとも売れなければ作らない訳ですから、既製のものは何処にもなくて、今回はお世話する方が手作りで“お多福の福笑い”をお作りになりました。
ゲームは簡単そのもので、経験があろうが無かろうが、形を記憶して、両目をマフラーなどで被い隠し、誰かが目だの鼻だのと言い渡すだけです。髪型が崩れるとかと言わなければ、はじめての人も参加できる遊びで、親しい仲でなくてもスウ~と入っていけます。今回も膝付け合わせて直ぐに大笑いの渦で、周りの人もつられて覗き込んでいる姿が見られました。
(旗源平ゲーム中)
今回は、「旗源平」の参加者だけが出来るというもので、お茶とお菓子付き、お菓子には、花のように巾着包みで、真ん中に小さな「おみくじ」が入っている「辻占」と金沢の小さな落雁とおせんべいです。辻占はお正月の時季に食べる加賀独特の砂糖菓子です。中にはいっている「おみくじ」の占いの文面はひとつひとつ違い、3つ開いて言葉を並べて一つの文章に、また、並び変えて別の文章に、それを、みんなで見せ合ったりして楽しみます。
(子供だけではなく、若い女性にも人気で、意味深な文章が夢を誘います。そんな風雅が辻占に閉じ込めてあり、3っ集まると夢が・・・?でも、自分に良いのが出るまで続けるのは野暮?一人3つとは、お菓子さんも欲がないのが金沢らしいのかも・・・。)
(辻占とおみくじ)
因みに文章は「ひそひそばなし」「おわれるなかれ」「こころおきなく」「七転び八起き」「きがもめる」から「一目なりとも」「るす事のだご」や「ままになりたい」などなど、謎かけめいた文章が刷られ、見る者の心一つ、かってな解釈もOKという意味不明の文章もあり、今のところお店毎に100種類以上もあるそうですが、将来に残したい加賀の文化と言えます。
(辻占とは:江戸時代、吉凶を占う「おみくじ」を売り歩く「辻占売り」が次第にせんべいやかりん糖に貼り付けて売るようになったのがはじまりだそうです。「辻」は町角という意味。町角で売られていた庶民のお菓子という意味あいがあるようです。金沢では、明治時代、乃木大将と辻占売りの話が有名です。)
拙ブログ「治にいれて乱を忘れず―旗源平
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拙ブログ「恒例「まいどさんの旗源平」」
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拙ブログ「乃木大将と辻占売りの少年」
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