【武蔵が辻】
金沢アートグミのギャラリーが様変わりしています。なんと、面白い戦艦が2隻浮かんでいます。面白い!!といっても人それぞれですので、“私が好きな”といったほうが適切でしょう。紙で作った大きな巡洋艦と空母らしい物体がギャラリーの対角線上に対峙しています。戦っているという緊張感は感じられませんが、何ともユーモラスに見えます。
何が好きなんだ?って聞かれても・・・面白いから・・・って事になりますが、それではしょうがないので、暇に任せて、私の好きさ加減と屁理屈を書き連ねることにします。
「闘争」がテーマだそうです。そして素材は、昔々私が子どもの頃、雑誌の付録の紙模型を思わせるチャッチィさで、完成度は高くはないが、しかし離れて眺めるとリアリティ感があります。紙相撲のように現実とは程遠く、見方によっては、ドンキホーテイのような無謀で滑稽さが笑わせてくれます。
また、猫が猫と戦っている様子は、人間同士が戦う現実のようにも見え、しかも、巡洋艦の猫は、紙とは思えぬ軍人らしい凛々しさと堂々とした衿持が窺えます。作者の感性と、その表現力は、ジイーと眺めていると架空の世界が現実に思える瞬間を誘います。
(堂々とした黒猫)
作者は紙を使うのは、「軽さ」「安さ」「解体・構築がしやすい」「持ち運びが容易」といっているそうですが、戦う戦艦を鉄とは対象的な、「弱くて」「破れやすく」「壊れやすく」「チャッチイ」紙が素材だというのが皮肉っぽくて私の好きなところでもあります。
聞くところに因るとバイトをしながら、独自の世界を考察し、せっせと製作しているそうで、今回もバイトに追われ、製作時間が足りず、開催予定を遅らせたとか、しかもまだ手を加えなくてはという事のようですが、私が最近見た好きな作品の一つです。
まだまだ未完成!?これから手直しやら付け加えるところも有ると聞きますので会期が終わる12月23日まで、どのように変化して行くのか楽しみです。
作家本人にも興味がわきます。12月7日夜、金沢アートグミのチャリティ・パーティでお逢い出来るかも・・・。