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頑張りまっし”金沢言葉“③

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【金沢市内】
先日、あまり見ることもない娘が残していった本箱から「頑張りまっし金沢ことば」という本を妻が見つけてきました。何とタイミングがいいのでしょう!!この間から金沢言葉が気になりだしていて調べていた矢先です。



(土塀の長町から北国新聞社)


この本は平成6年(1994)1月からおよそ1年間に渡り、地元の北国新聞が「頑張りまっし金沢ことば」として連載されたものを平成7年(1995)5月1日に単行本として発行されたもので、この一冊を読んだだけで金沢言葉が分かったような錯覚に陥ってしまいます。



(本に出てくる先輩2人、今も元気で現役)


(また、この本には私が10年前から所属している観光ボランティアガイド「まいどさん」の20年前創成期の様子や実名で登場する先輩達に関心がいき読みふけってしまいました。)



(頑張りまっし金沢ことば)


この本は1年も掛け、地元の記者が執筆した記事を本にまとめたもので、巻頭の「発刊にあたって」には社長自ら、“言語的視点や社会的、風土的な背景も探りながら記録したもので、若い世代から小学生の使う方言にも焦点をあて、方言の衰退やどの言葉が勢いをもっているか、盛衰の過程まで検証した。”とお書きになっています。


(内容については、新聞に連載中から読者は、地域文化を次世代にという使命のようなものを感じたのか、多くの問い合わせや情報が寄せられたといいます。)


(「まいどさん」が書かれているページ)


1年も掛け、丹念に地域の独自性を大切に、足でお書きになった約300ページの労作を、私には読みこなすだけでも大変なのに、それを千数百字くらいでまとめて何かを書くとなると能力に限界もあります。今回は、私が知る金沢の“話し言葉”の語源や知識、そして、この本に書かれている金沢言葉について引用することにします。



(犀川大橋)


≪“頑張り”と“頑張る”論争!!≫
まずは、この問題が解決しないことには前の進めないというくらいタイトル「頑張りまっし」に読者の反応が相次いだことを上げることにします。「頑張りまっし」か「頑張るまっし」という論争です。「頑張るまっし」派は、“母親の遺言”“昔からいわれとる”と理屈抜きに主張する比較的古い世代と、「頑張りまっし」派は、新しい世代からの声で、“頑張る”は自分が頑張るぞといっているようで、相手に対してつかうのは不自然だと論理的です。


さらに多方面から意見を集めると、この二つが混在しているようです。この本の立場は「まっし」が「しなさい」という丁寧な命令表現であることから“頑張りなさい“から「頑張りまっし」になったのでしょう・・・か。


最近は「ガンバンマッシ」というのをよく聞きます。方言はどうも地名の呼び方も含めて聞いて憶えた“話し言葉”であることから時代や住む人たちの変化、それとイイ出しべェーの影響力などにもよって、変っていくことが分かります。



(長町二の橋界わい)


≪金沢弁の意味や語源など、見たまま、気ままに、思いつくまま≫
「ダラ」
足らず
「ダラブチ」陀羅仏(だらぶつ)
「ダラマ」だらな人、“ま”は人
「キカン」いうことを聞かない
「ヤッキネー」やる気ない
「ダエー」体がだるい、からか?
「マッシ」しなさい
「アテガイ」宛行・充行(いいがげん・当てすっぽう)
「ソイアイ」添い合い・配偶者
「ジャアマ」“じゃあ”は子供が母親を指す呼称 “ま”は人・配偶者
「チョウハイ」(朝拝)嫁の里がえり
「オードナ」(黄道)おおげさな、中国から伝わる漢語
「ドクショナ」(毒性)薄情な冷たい様、中国から伝わる漢語
「ダッチャカン」埒が明かない
「タンナイ」(大事ない)大丈夫、差し支えない
「ヤクチャモナイ」(益体もない)やくたいもない
「ダイバラや」(大散)大変なこと
「ゲベ・ゲベタ」ぴり


(手前が戸室山、後左が白兀(医王山)右奥医王)

(地名)
「トモロ」
戸室山「ヨウジン」医王山「ウンチョ」近江町「カゾエマチ」主計町「ツチョジ」土清水「アンドンマチ」安藤町「カゲドンハシ」勘解由殿橋「ヨモンドノハシ」右衛門橋 等々


書けば切がないので・・・、詳しくは「頑張りまっし金沢ことば」を是非一読ください。


(最近のまいどさん会員)


≪まいどさんの話の引用≫
今も現役の大御所が登場していますが、お2人とも、当時は、今の私より10歳も下、当然、平均年齢よりずいぶん若く、我がグループの高齢化を実感します。今の10分の一以下の30名で始まった当時の様子が戸惑いとともに伝わってきました。


当時の観光課長は「形式ばった言い方でなく、ふだんの言葉で案内することによって観光客に金沢の旅情を満喫して貰いたい」と金沢弁を奨励しています。その気取らなさから観光客に地元の人に接しているという印象をあたえ親しみもますことから思い出が深まるとも書かれています。



(長町のイシナ・・・馬繋ぎ石)


そこに出てくる金沢弁は「・・・違ごうがやです。」とか「・・・分かっとるがです。」また、今はほとんど使わなくなった石を「イシナは・・・」といい「イシナとは、金沢では石ころのことです。」と今も使えそうな金沢弁の解説を付けるテクニックを教えられます。


参考文献:「頑張りまっし金沢ことば」平成7年(1995)5月、北国新聞社発行


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