【長町武家屋敷界わい】
金沢市老舗記念館は、昭和62年(1987)まで南町にあった藩政期からの薬種商中屋薬舗の建物を金沢市が中屋家から寄付を受け移築し復元した施設です。伝統的町民文化の展示場として平成元年(1989)4月1日に開館しました。当初は無料で長町武家屋敷界わいの観光拠点として大いに賑わい年間10数万人の入場者を集めていました。
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(金沢市老舗記念館)
(長町武家屋敷界わいは藩政期、武家地で、分け知りには「何で商家やいね・・・。」や反対のための反対好きには「そんなものに1億円もかけて・・・。」という声や批判のなかでの開館しますが、当時、長町武家屋敷界わいを兼六園の次ぐ第二の金沢観光の拠点に押し上げました。)
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(何とも賑やかな玄関)
私の長町武家屋敷界わいのボランティアガイドデビューは、金沢市老舗記念館の開館の10数年後になりますが、多い時には1日に数回、お客様を老舗記念館へご案内することになります。ガイドを始めた頃、余裕も自信もなくお客様とのコミュニケーションも間が持てず、不安でした。お客様を見ていると、古い町並みも然ることながら金沢らしい展示品が“百聞に勝る”ことを知るようになり、また、有料の施設へは、入場料のことが言い辛く、当時、無料だった老舗記念館へご案内していました。
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(金澤老舗百年会の案内板)
やがて、老舗記念館も有料になり、入場料のことが言い辛いのも手伝って、お客様からのリクエストがない限りご案内することが少なくなりました。その頃には年間の入場者は全盛期の10%くらいになってしまったと聞きましたが、随分と助けて戴いた老舗記念館には申し訳なく思いながらも疎遠になっていました。
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(1階の花嫁のれんの展示会)
行かなくなると、前を通っていても、また、最近は金沢らしいイベントもやり、地方紙などに登場していることを知りながらも、あの入口の派手なカラー写真のアプローチも気にならないくらい長町界わいの風景の一部、巨大な木造建築でしか有りませんでした。
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(玄関の看板)
先日、入館する機会があり久しぶりに訪れますと、通り過ぎていたのと大違い、先ず圧倒されたのは、玄関回りの張出しパネルです。従来の公立の博物館にはない、いやそれどころか売らんかなの姿勢がギラギラしたドラックストアーさながらのプレゼンにシャッターを切りまくりでした。
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(賑やかな店)
館長さんの話しを聞けば、ひと時落ち込んだ入館者も最近ではその頃の3倍の入りだそうで、単に入口や店頭を飾り立てただけでなく、館にふさわしいと思われる「花嫁のれん」や「加賀手まり」のイベントや漢方薬に関する展示を本格的に始めたことによるもののようです。
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(花嫁のれんや加賀手まりの展示会)
2階に上げれば、私が行っていた当時と変らない金沢の老舗50数軒の展示や、伝統の結納品や五色饅頭、工芸菓子などもほぼ以前のままですが、1階で強烈な展示を見てきた後ではありますが、赤い毛氈の上に並べられた展示に共通性が感じられます。
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(2階の常設展示)
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(2階の金澤百年会の展示)
最近のデザインやディスプレーは、シンプル・イズ・ベストが主流で、また、イメージやコンセプトという言葉に振り回されて、どこの展示も同じように見えます。しかも、一寸でも地方色が出ると直ぐに”センスがない“とか”泥臭い“だのといわれるものですから、担当者は何でもデザイナーにという事になりますが、こちらの展示は、金襴緞子や赤い毛氈のひな壇のような、もう一つの日本人の美意識をベースにしたティスプレーのようで、もう一工夫必要かもと思いながらも、担当者の強い熱意と思い入れ、そして勇気が伝わってきて好感がもてます。翌日もう一度行ってきました。
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(最新作の加賀手まり・ご免写真が悪くて今度撮り直します。)
この中屋薬舗は、現在も別のところで漢方薬を販売していますが、何といっても藩祖前田利家公の金沢入城より古くから金沢で薬屋を営んできた老舗中の老舗です。藩政期には金沢町人のトップの町年寄でもあり、明治時代には、明治天皇が明治の元勲を引き連れ2泊3日逗留したとも伝えられています。そのうち続きを・・・。
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(中屋時代の看板)
(つづく)