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金沢に新幹線が来る・・・。

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【金沢市】
平成27年(2015)春。北陸新幹線が金沢に開通すると金沢~東京間、約450kmの所要時間が約1時間20分も短縮され、約2時間30分で行き来できるようになります。観光や各種産業の活性化や企業立地の促進、商機能の充実などが期待されます。


(北陸新幹線は、全線開通すると東京を起点に長野、上越、富山、金沢、福井などの主要都市を経由し、大阪に至る延長約700kmの路線です。)

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(金沢駅もてなしドームより駅前を望む)

石川県の目論見では、 北陸新幹線の金沢開業により、金沢駅の交流人口が757万人から250万人増の1,000万人になると予想されています。少し古い資料ですが平成19年度石川県調査によると県内の経済波及効果は年間121億円の増加予測が立てられています。

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(金沢駅①)

今年の「かなざわ市議会だより№245」には、この年間121億円予測は交流人口の増加は考慮されていないとかで?市長の答弁は“本市としては、開業に向けて、まちの魅力を高め、クラフトのビジネス化を進めることで交流人口の増大を図り、商業や観光を盛んにしていきたい”が強調されています。


(交流人口:その地域に訪れる人のことで、その地域に住んでいる人「定住人口」に対する概念だそうです。)


市民が見つける金沢再発見


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(新幹線関連の北国新聞記事)


単純計算ですが、観光庁配布資料による国内の定住人口(1億8,200万人)の1人当り年間消費額124万円を頼りに辻褄合わせですが、定住人口1人当たり124万円で計算すると121億円稼ぐのに97,600人になります。また、交流人口250万人が121億円を稼ぐということは1回の消費額は48,400円になります。また、定住人口1人当たりは交流人口26人になります。


(一人当たりの消費額48,400円?みなしの定住人口97,600人(今の金沢の人口の約21%)?1人辺りの消費額がかなり高くなりますが・・・・達成可能かも。)

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(金沢駅前①)

さて、北陸新幹線の開通と比較になるかどうかは分かりませんが、今回の話しは、114年前の明治31年4月に福井から金沢へ汽車が乗り入れられ、金沢から米原で東海道線に接続され東京に行けるようになります。それにより、衰退していた金沢は「軍都」に生まれ変わり低迷した人口も急増し、大正の初めには幕末の12,3万人の人口に追いついた話のほんのサワリです。

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(北国新聞記事)

明治の金沢について、明治18年5月10日の京都の「日の出新聞」は北越より帰来人の談として「石川県の疲弊困窮は実に名状すべかざるものあり、輪島の漆器、九谷陶器などの工芸品は全然さばけず金沢の人口95,000人の十分の一はその日の暮らしにも差しつかえる貧民なり、近来乞食の数を増し毎朝群をなし横行、其の惨状見るに忍びず」と報じているそうです。



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(金沢駅前②)

また、当時の金沢を訪れた明治のジャーナリスト横山源之助が「毎日新聞」に寄せた「金沢瞥見記(べっけんき)」には、「曰く巡査、曰く芸娼妓、曰く小学校教員、即ち是を金沢の三物産なり」と述べていますが、百万石という大藩であったために士族の数も多く、その大半が没落してしまったといわれています。


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(金沢停車場)


そんな中で 開通した北陸線は、地元の積極的な誘致もあったのでしょうが、政府の日露戦争を想定した軍事拡張に関連して、金沢は北陸の軍事的拠点となり、金沢には将兵とその家族2万人以上(当時の人口の約25%)が住むことにより明治30年には81,352人まで減少した人口が復活します。


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(当時の機関車)

北陸線の金沢停車場そのものが、軍隊の集合地を確保するよう設計され、金沢駅の正面に設けられた50間四方も有った空地は、金沢市が設置する空地と接続して、動員時の集合場所を確保したものと言われていて、駅頭での出征や凱旋の大規模な歓送迎の風景は、今は昔です。


(新しい金沢らしさ?ガラスのもてなしドームからは想像しろといっても無理ですね。)

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(ガラスのもてなしドーム)


開通時の金沢駅は、発着列車 1日13本、1日の利用者約2000人、当時のプラットホームは2本、長さ約200m、駅員95人だったそうで、汽車は金沢→米原を7時間かけて走り、運賃は米原まで1円30銭(そば一杯が1銭の物価)だったそうです。


(今、そば代250円で換算、現代の価値130倍で計算すると32,500円か・・・)



一方、北陸線が開通すると、海運業が衰退します。現在の白山市美川の本吉湊は、大昔、荘園年貢の積み出しや北前船の寄港地として栄え、享保10年(1725)頃には北前船が1日30艘も入港する加賀随一の湊町だったといいますが、北陸線の開通で舟運から鉄道輸送に代わり、漁港になり今までの賑わいは過去のものになったといいます。


新幹線が来ると在来線、・・・などなど、よく似た現象も起こるのでしょうネ。
とはいえ、待ちどうしいこと・・・。


参考資料:「かなざわ市議会だより№245」等


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