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Channel: 市民が見つける金沢再発見
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金沢人気質(かたぎ)①

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7、8年前、お客様から、金沢人気質(かたぎ)というか金沢人らしさ?について聞かれ、まったく考えていなかったので、不意をつかれシドロモドロ、何を言ったのか覚えていませんが、まともにお応え出来なかったことは確かです。





(金沢遠景・鈴見山辺り)

それが3年ばかり前、今度は「金沢人」について話せとことになり、資料を集め多少は自分の思いも入れ、一時間ぐらい話したことがありました。当時、今もそうですが、付け焼刃で自信がないものですから、「これから話すことは「ほんま」かどうか分かりませんが、わしのような田舎者は身近な事は過少評価するし、偉い人のいう事を鵜呑みにしてしまうし、また、自虐的なところもあったりしますので、大分差し引いて聞いていただければ・・・」と逃げを打ちながら話した記憶があります。



(旧観音町辺り)


最近「金沢らしさ」について思いを巡らしていて、その頃の原稿を読み返し、少し加筆しまとめてみましたが、前のものと同じく「ほんま」かどうか分らない自信のない記述になりました。時間がお有りでしたら暇つぶしに読んでいただければ幸いです。



(浅野川梅の橋辺り)


生粋の金沢人!?一般的な印象として、ガイドブック等にも書がれているように「天から謡が降ってくる町」の住人で、いわゆる文化度が高く、心に余裕があり、のんびりした気質で、北陸人としては社交的で教養もあって穏やかな性格だということになります。



(犀川蛤坂辺り)


誰が聞いても、綺麗ごとや~。表向きや~。といわれそうで、また、金沢の宣伝用に書かれたものの「まんま」や~。ということになりそうですが、まんざら外れているとも思へません。これを、言い方を変えて言うと、もっと分かりやすくなるから不思議です。

「金沢人は、侍の真似をして、職人まで、意味も分からん謡をうなり、閑人で俳句やら骨董をもてあそび、地元のことしか見えなくて、見栄っ張りで、横着で、北陸人としてはお調子者、役にも立たんことばかり良く知っているが、ハッキリ物を言わない、のんびり屋のノンキ者」と一寸言い過ぎかも・・・。


(お能「杜若」の像)


これは昔話や、少し極端やと言われそうです。多くの金沢人からは非難轟々でしょう。反論も有ると思います。しかし、私にはこの表裏はまんざれではないなと思うこともあります。なぜなら多分に自分だからです。


それも昔のとか、年寄りの金沢人とばかりとはいえないのではと思います。若い人は、今は、地方でも都会と同じテレビを見て、同じ教科書で学びます。また、若い時は、人にもよりますが、昔も今も親の言うことを聞かないし、親の反対ばかりしますが、それでも潜在的には、そんな家庭や環境で育つので、当然、その気質や気分は、今は表面には出ていませんが、若者の中にも潜んでいるように感じることもあります。



(しばらく前の下新町辺り)


話しは変わりますが、こんな話もあります。作家の泉鏡花は、母親が江戸生まれで、本人は金沢生まれで故郷でありながら、金沢人のことを「加賀ッポは、はなはだ好かない」といっています。


「百万石だぞといった偉がりが、今日でも、その性格の奥に閃(ひらめ)いているのが、何より面白くない」




(泉鏡花)


母親にも父親にも先立たれて、金沢には余りいい思い出がなかったそうですが、こんなことが何かに書いてありました。


なんとも対抗心が強い鏡花らしい話で、金沢人のもつ傲慢さが伝わってきそうな話です。金沢人にはそのような一面もあることは確かです。


(つづく)


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