【金沢】
金沢人に対して耳障りのいいことだけ並べると、基本的に真面目。そして、穏やかで、引っ込み思案で欲がなく、加賀百万石時代のなごりか“あくせく”しなくて表面的には温和。プライベートでの文化芸術的活動の時間を大事にします。そして同郷意識や学問意識が旺盛で、市民同士は互いに助けあう美点がある・・・。となります。
(金沢・長町)
今回は、今も語り継がれている“諺“や“言い伝え“から金沢人を引っ張り出してみます。
「越中強盗、加賀は乞食、越前詐欺、能登はやさしや人殺し」
いずれも生活力の豊かさを皮肉った言葉で、根本的には、古くから北陸に住む真宗系信徒のねばり強さを言い、各々の土地の気質からくる追い込まれた時の行動を喩えたものですが、越中、越前、能登は、「獲る」ですが、加賀は「貰う」です。これも「お殿様依存症、百万石気分」なのでしょう。
「近江1000両、加賀100両」
加賀の人は欲が無い、近江商人は1000両求めても、加賀の人は100両でも充分満足という。
「隣が貧乏すりゃガンの味がする」 (人の貧乏は蜜の味)
隣の家の貧乏は、雁の肉を味わうように快い。他人の不幸は自分の優越感を満足させるものです。(金沢だけで言われている分けではありませんが、金沢ではよく使い、昔、金沢を題材にした映画「地上」で、俳優殿山泰司が言っていたのが思い出されます。
「行けたら、行くわ」
金沢人は、はっきり物を言わない、これは、欠席の返事で~す。
「金沢時間」
決まった時間に物事が始まらない。どうせみんな遅れるから、と自分もゆっくりいく。(地方ではとこでもいうそうですが、今は少なくなりました。)
(待ち合わせ)
「金沢には嫁にやるな、越中から嫁もらえ」
越中(富山県)では昔から「金沢には嫁にやるな」と言う、金沢は硬直した閉鎖社会で、富山人を“越中さ”といい人を人とも思わないような扱いをすることがあるとか・・・。
金沢では「嫁は越中から貰え」という、富山の女性は働き者だということだそうです。
「顔はねんごろ、銭は仇(かたき)」
懇意にしていても、金銭の貸借はこじれると、すぐに敵になる・・・。
「金沢の人に差し上げられるようなお菓子はありません」
「金沢の人に見せられるようなものは何もございません」
何を見ても文句ばかり言って「やっぱり金沢が一番やわいネ」と相手をけなしてばかりの人には、そう言ってあしらうしかないということ。金沢人に対する皮肉ですが、真に受けて、その喩えに「だから金沢のお菓子は素晴らしい」と自慢げに新聞に投稿した金沢の年寄がいたとか・・・。
(金沢五色生菓子)
出るは、出るは・・・私が言っているのではなくて、聞いた話を採集した結果です。まだまだありますが、今日はこれまで!!
(つづく)