【天神橋→中の橋】
泉鏡花の「化鳥(けちょう)」の絵本があまりにも素敵なので、つい手が出てしまいました。すると8日の北国新聞にトークイベントの紹介があり、定員が限定されていたのですぐに申し込みました。
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(対談のチラシ)
トークイベントは、絵本作家の中川学氏と監修の東雅夫氏、そして泉鏡花記念館の穴倉玉日氏の対談で、会場は主計町の土家さん1月16日夜6時半から、1時間半の予定がアッという間に過ぎ30~40分も延長になりましたが、それでも私には、その場を離れがたい思いに駆られていました。
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(夜の土家さん)
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(主計町のガス燈)
絵本を企画された泉鏡花記念館の学芸員の穴倉さんが書かれた絵本「化鳥」の“あとがき”によると“鏡花は稀有な作家でありながら、その文体の特異性ゆえか、多くの現代人にとって遠い存在となりつつある彼の作品に生涯に一度は触れて欲しい ― そんな思いを、(絵)を架け橋とすることに託して生まれたのが本書です。“というだけに、穴倉さんの鏡花への熱い思いが会場全体に伝わったのか素敵な時間でした。
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(土屋さんお店・熊手、三味線など)
私も鏡花の作品には何度か挑むものの、満足に読み切ったことなどほとんどありません。「化鳥」が鏡花の初めての口語体の小説でルビーが付いていても最後までしっかり読もうと思えば辞書かGoogleを開きながらの読書になります。結構、根気のいる読書で今回も読みさしで、トークイベントに参加すれば少しは理解も深まるのではと思っての参加でした。
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(会場の販売コーナー)
その日は、鏡花記念館の学芸員の穴倉さんが、「化鳥」の絵本を作ろうと思ったキッカケになったという中川学氏が自費出版なさった絵草紙「龍潭譚(りゅうたんたん」の紹介に始まり、アニメ版「絵本 化鳥」の上映と解説や鏡花や異界の話になりました。
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(会場風景)
中川学氏の話では、「化鳥」の挿絵を描くに当たり躊躇したこと、文章で自分のなかの世界を広げるのを助ける文章以外の情報(風景や小物など?)や資料集め、さらに異なる時間を一つの構図の中に描き込む昔から絵巻物にある異時同図法のこと、「龍譚譚」のモノクロで始まって途中でカラフルに、またモノクロに戻るという技法等々、興味深い話が次から次へ飛び出してきました。
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(対岸のイルミネーションと中の橋)
また、監修の東雅夫氏からは、鏡花のこと、そして幻想世界のこと、魔界や異界について、考えさせられ、子供ポイ話ですが、実は私のお化け否定は、ただ怖いだけの臆病風によるもので、信じたくないだけだということに気付かされました。そして今、異界への入口に立ち“槐(榎)の木”の先へ超えられかどうか、まさに70歳の手習いが始まります。
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(龍譚譚のチラシの一部)
現在のところ「龍譚譚」も「化鳥」も能力不足からまだ読み切れず、絵を楽しむだけで、まだまだ未消化。ことここに至れば、素直に学芸員の術中に嵌って、怖い夢をみるのも厭わず、インターネットの辞典を引きながら読むのも楽しいかも・・・・。