【金沢･兼六園】
兼六園の近くで育った私は、物心も付かない頃から祖母の押す乳母車に乗せられて兼六園に来ていたらしい・・・。小学生になると、園内の図書館に通い、学校の運動場の延長線上のような長谷川邸跡の広場でボール遊びをしていました。そして季節々々には“蝉やトンボ”“おたまじゃくし”“スッポン”採りに園内を駈けずり廻っていたのが思い出されます。
（兼六園で世代間交流）
今は随分様変わりをして、図書館やボール遊びをした広場も時雨亭や梅林になり、蝉採りのタモを持った半ズボン軍団も過去の話になってしまいました。最近は、黄色の帽子や半ズボン、紺のスカートの小学生が黄色いシャツの爺婆の後を神妙に付いて廻っています。
（楽しくお勉強？）
数年前から小学生のガイドが多くなり、私も年に何回か参加させて戴いていますが、小学生達に、爺婆が兼六園の素晴らしさを伝える以上に小学生が学校や家庭では会うこともない、よその爺婆と接することで新たな世代間交流が生まれ、さらに、子供達が故郷の素晴らしさを実感することで、郷土に誇りを感じる心を育み、将来への夢や希望も育てるという「ふるさと教育」の一助になるのではと、私は勝手に思っています。
≪小学3・4年生へのアプローチ≫
１、 兼六園の魅力探し
問１：兼六園は国内では有名なお庭です。外国人も含め、多くの観光客が訪ねてくるのは何故でしょうか、そしてどんな訳があるのでしょうか？ 魅力があるから・・・。
（魅力って何だろう！人を引き付け夢中にさせる力。（素敵！かっこいい！惚れた！ダイスキ！ワンダフル！見とれてしまう！すきだよ～！など。）
問２：兼六園の名前の意味を考えてみよう？6っの魅力（素敵なところ）を兼ね備えた庭園ということ？
（宏大・幽邃）
（人力･蒼古）
《兼六園の相反する6つの魅力》
①宏大（こうだい）幽邃（ゆうすい）
（広々とした所なのに、静かで深い所がある）それはどの辺りなのでしょう？探して見よう！！
②人力（じんりき）蒼古（そうこ）
（木を植えるのも、石灯篭も川も池も人間が考え造ったのです。何故か昔からあるように自然なのか！！）
③水泉（すいせん）眺望（ちょうぼう）
（丘の上の高い所に小川があるのは何故？小川の下の見晴らしがいい所があるのは何故？）
（「広々（宏大）としている様子を表そうとすれば、静かで深い（幽邃）ところが少なくなってしまう。人工的（人力）なものが勝っていれば、昔からの自然な趣（蒼古）が少ない。水の流れや池､滝（水泉）が多ければ、遠くを眺めること（眺望）が出来ない。」）
（水泉･眺望）
兼六園のその6つの魅力を探して、本当にその魅力は自分にとっても魅力（素敵なところ）だろうか、考えて思った事を言ってみましょう。
（亀・・・）
２、兼六園の中の動物探し
問１：園内には、鳥や鯉や昆虫が沢山います。今日はそれらの生きた動物だけでなく石で造ったモノやそのように見えるもの、また見えたもの（自分だけが見えたものでもいい）を出来るだけ多く見つけてみんなに言い触らしてもらう。自然の中に生き物を探すこと、園内の工作物に興味を持ってもらうこと。
（そのほうが灯篭も知らない子供達には良いのでは・・・。）
・瓢池や霞が池の鯉、蝉の声（油蝉、ニイニイ蝉、ミンミン蝉など）蝉の抜け殻など
・三要石（獅子岩、虎石、龍石）
・雁がね橋（亀甲橋）、亀石、亀甲島
・青鷺などの鳥類他
（兼六園の生きもの）
テーマを絞り込んで、それらを探すことで兼六園が見えてくるのでは、そうするとで子供達の関心や興味を引き出しやすくなるように思います。
（三要石）
（歩くコースはそれぞれで工夫をして、説明、解説については質問に対して応じ、なるべく簡単に、それ以上の事については、学校の図書館で調べるなり、後で質問状を書いてくれるように言えばよいと思います。それをその場でクダクダいうと、興味のない子が醒めてしまい悪影響も出かねません。）
（今年も小学生と・・・）
それから、テーマを決めない時は、初めに、応え易すそうな事を子供達に問い掛けて、子供達の“関心”や”疑問“を知ることからはじめる事にしています。それが分れば、それに沿って話が出来、会話も可能になるのではと思っています。
（兼六園は金沢っ子の美の原点！！）
これは、ほんの１例です。とは言え一寸だけ迷っています。担当の先生教えてください！！