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第21回寺町サミットin飯山②

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【飯山市・斑尾高原→菜の花公園】
朝6時。ホテルの障子を開けると茶色の山肌が迫ってきました。スキーシーズンの冬景色はさぞ美しいだろうと思いながら右手を見ると、雪を頂いた山が視界に入ってきました。何と言う山だろう・・・。予備知識も無く「妙高山」と知ったのは、朝食時間、2時間も経っていました。



(斑尾高原スキー場)

(妙高山)

時に青空!!山の名前も知らないまま、雪に覆われた神々しい山に心揺さぶられ、外に飛び出していました。そして、隣のお店のベランダへ無断で入り込み撮りまくっていました。たぶん、山が、もう少し遠く、小さく見えたら、そこまでしなかったかもと思いながら、食事中も気になり、振り向きながらまだ撮っていました。



(ホテルの朝食)


あとで調べると“妙高”というのは、仏教の須弥山(しゅみせん)のことで、仏教のイメージでは、世界の中心にある山ということらしく、めちゃくちゃ高い山だそうですが、こちらの妙高山は2454mだそうです。それにしても今回の寺町サミットの参加は、何やら何処かへお導きのような気がしてきました。


(白樺と妙高)


(須弥山(妙高山)は、古代インドの世界観で、仏教に取り入れられ世界の中心にそびえる山だそうで、頂上は帝釈天の地で、周囲は仏が守り、四天王や諸天が階層をことにして住むという、ですから妙高山は仏教では特別の山だそうです。)


(斑尾高原より妙高山)

海抜約320mの飯山は、周囲1000m前後の穏やかな山々に囲まれた自然豊かな、あの唱歌「ふるさと」や「朧月夜」の故郷でした。また、信濃川の長野側が千曲川で、飯山城は上杉謙信の最前線、千曲川が上流で犀川と合流する地点が、謙信と信玄との合戦が繰り返された川中島だそうです。



(菜の花公園)


飯山は、高野辰之が作詞した唱歌「ふるさと」「朧月夜」の舞台です。高野辰之の故郷は現在の中野市(旧永田村)ですが、飯山高等小学校に通学していた時に、島崎藤村の「破戒」のモデルとなった真宗寺(蓮華寺)に下宿しています。




(「ふるさと」の故郷飯山)


長野師範を卒業して、母校である飯山高等小学校の教師に赴任してからも真宗寺に下宿し、お寺の娘さんと結婚します。「ふるさと」の歌詞にある「志を果たしていつの日にか帰らん」「人力車に乗って真宗寺の山門から帰ることが出来るならば結婚を許す。」という約束を歌詞にしたのだといわれています。



(「ふるさと」の故郷飯山)


1.兎追ひし彼の山  小鮒釣りし彼の川  夢は今も巡りて 忘れ難き故郷
2.如何にいます父母  恙無しや友がき 雨に風につけても 思ひ出づる故郷
3.志を果たして  いつの日にか歸らむ 山は青き故郷  水は清き故郷


唱歌「朧月夜」は、郷愁を誘う歌として今も多くの人に親しれています。飯山の隣町、野沢温泉村には、「朧月夜」歌碑が建てられていて「おぼろ月夜の館」という名前の記念館があるそうですが、飯山の千曲川が一望できる菜の花公園には、今が盛りと黄色の絨毯が広がっていました。ちなみに、例年、寺町サミットは秋に開催されていますが、今年は主催地の飯山市が菜の花の開花に合わせ春に企画したのだそうです。




1.菜の花畠に 入日薄れ  見わたす山の端(は) 霞ふかし
春風そよふく 空を見れば  夕月かかりて にほひ淡し。
2.里わの火影(ほかげ)も 森の色も  田中の小路をたどる人も
蛙(かはづ)のなくねも かねの音も さながら霞める 朧月夜。


この地がモデルと思われる高野辰之の唱歌に「紅葉」「春がきた」「春の小川」があります。


(つづく)


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