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ひがし茶屋街今昔「旧諸江屋」②金澤しつらえ

【ひがし茶屋街】
旧諸江屋が再開したのは平成14年(2002)の蛍屋のOPENでした。当時、私は金沢ボランティア大学校の観光コースに入りが決まり、予習と称して勝手に街歩きをしていた頃、旧諸江屋はまだ空き家でしたが、柳の緑とベンガラの壁が印象的で、噂では浅田屋さんが料理屋を開店するのだと聞かされていました。その前に一度、入ってみたいという衝動に駆られたのを思い出します。


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(今の金澤しつらえ)


あれから蛍屋が閉店するまで12年。ひがし茶屋街へは何百回!?休憩館の当番や下見、当然ガイドにも出かけましたが、只の一度も、蛍屋さんでお食事どころか、玄関にも入ったことがありませんでした。何故なんだろうと言い訳を探してみると、お昼には値段も張り一寸敷居が高かった?ということも有りますが、一人ではということもあり、誰か来ればお連れするところだと決めて掛ってところもあったような一昔だったことに気づかされます。


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(2階の踊り場から坪庭が・・・)


(私がガイドを始めた当時のひがし茶屋街は、夜はどうか分りませんが、昼は、土、日以外は人出も少なく、食事やお買い物に行くところではないと思はれていて、物販の店舗も今の10分の1位だと思います。私たちはガイドですからお客様を連れて、かってな事を言って歩くだけですが、町の人達は、どうしたら活気のある街になるかと躍起になっていました。)


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(1階の土蔵)
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(1階の階段)
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(坪庭)
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(玄関の看板)


「金澤しつらえ」がOPENしてから丸一年、久しぶりにお邪魔しました。一当たり見せて戴きますと作品も展示もそして設えも、ピィーンと張り詰めていながら、それでいて暖かく、非日常の世界が表現されていました。私などは見るだけで、買い物には繋がらない客ですから、それが売上げに繋がるディスブレーであるかはよく分りませんが、美しく、素晴らしく、圧倒されます。そして、オーナーの伝統工芸を発信するという使命が伝わってきます。


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(ガラスケースのない工芸品の展示)


伝統工芸を売る店は、金沢にも多くありますが、畳の間で漆器のテーブルの前の座り、ガラスケースに入っていない伝統工芸の焼き物を愛でる、丹の赤壁の間では、漆黒や色漆の漆器に親しむ、こんなお店はあまり見たことがありません。ここに座れば、こんな暮らしがしたいな~と思われるお客様も多いのではと思いながら眺めていました。


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(赤壁の部屋、漆器の展示)


この建物は、何方が見ても、重要伝統的建造物群保存地区ひがし茶屋街の中心に位置し、しかも、老舗のお茶屋や料理屋の跡で歴史的なお茶屋を原型に近い形で残し伝統工芸の巨匠や作家さんのギャラリーするわけですから、試行錯誤の連続でご苦労あったと思いますが見事に変身を遂げられているように思われます。


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(金の吊り橋)


1階の「しつらえの間」には、ひがし茶屋街の建物に見られる格子で間隔の狭い「木虫籠(きむすこ)」を使っており、金箔のバックに漆黒の舞台では、芸妓が箏曲などを披露できるように設えてあり、展示コーナーや一部は販売が出来るスペースになっています。


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(青竹土壁の間と金の椅子とテーブル)

特別室は「青竹土壁の間は、金の吊り橋を渡り恐る恐る戸を開けると、金箔の椅子とテーブルが強烈の目に入ります。青竹土の壁や調度の数々が、決してキンキラキンの俗っぽい成金趣味にはならずに、贅沢な空間になっていました。


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(十六層の左官)


他、2階の上がると大きく開いたガラス窓から町家の趣を残した坪庭が、それから階段の壁に左官仕上で、薄紅、真朱、黄丹、鴇、照柿、利休茶、花浅葱など十六層に塗り重ねられた土塀が技術の粋と共に美しく華やでいました。


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(やなぎ庵)
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(竹炭うどん)
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(やなぎ庵のメニュー)


そして、2階のやなぎの庵で、素敵な器の竹炭入りのうどんを、美味しく頂きましたが、私には量が・・・。やっぱコーヒーにすれば良かったかな?という思いを残しながら帰りました。


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