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Channel: 市民が見つける金沢再発見
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極楽橋!!地獄橋!!金沢くらしの博物館

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金沢のことを歩いて、調べて、書いて約7年!!昨年の暮れ、頭が壊れそうになり、歩くことも記憶も書くことも不自由になりました。これで歩くことも、調べることも、書くことも終わりかと思いましたが、幸いに点検、修理が行き届き、半年ぶりにブログを再開することになりました。しばらくは、歩いて行けるところからと思っています。

 

伝説・伝承

【石引4丁目→笠舞1丁目】

金沢くらしの博物館は、信号待ちが無かったら、我が家から歩いて1分半!!旧制金沢二中学校の旧校舎本館をリニューアルして開館したもので、戦後、新制紫錦台中学校になり、私もそこに3年間通い遅刻の常習でした。近いから遅刻しないとか、近いから行くか行かないかは別ものです。

 

 

(昭和53年(19786月に金沢市民俗文化財展示館として開館し平成19年(2007)に、内容が分かりやすく親しみやすい館名にしようと「金沢くらしの博物館」と改称、平成28109日にリニューアルオープンしました。)

 

 

(金沢くらしの博物館の看板)

 

最近、博物館の前庭をリハビリ散歩で出入りするようになり、玄関の右隅に戸室石の橋が有るのを見つけ、何年か前に地元の歴史に詳しい人から聞いた話を思い出しました。その時は聞き流していましたが、「極楽」「地獄」「大槻」のキーワードはしっかり覚えていました。つい最近、此岸と彼岸を彷徨い無事生還したので、極楽と地獄が妙に気になり少し拘っています。

 

(金沢くらしの博物館の玄関にある「極楽橋」「地獄橋」)

 

かって上野新村の三昧(火葬場)が善光寺坂下あり「極楽橋」「地獄橋」も、その三昧(火葬場)の近くの灌漑用水に架っていた橋だったそうで、今回訪ねて見て、昭和53年(1978)頃まであったという橋の位置は特定できませでしたが、崎浦公民館発行の「さきうら」によると、三昧は善光寺坂下の角地の生垣に数基の念仏碑が集められているところで、両橋はパレットの駐車場にある用水だと書かれています。

 

(パレット裏の用水)

 

(藩政期初期まで兼六園の山崎山から今の石引辺りにあった山崎村が、城下の都市化で今の金大医学類駐車場のところに移転。そこが利常公の母堂の菩提寺「経王寺」になり、道路沿いの民家が見苦しく目障りという事から「牛坂の上野」と言われたところ、今の小立野1丁目辺り(旧上野本町)に寛永9年(1632)に開削された辰巳用水の余水で上野新村が開村しました。)

 

 

(善光寺坂上と善光寺坂下の念仏碑のある角地)

 

今、善光寺坂下に集めらている念仏碑は、昔、三昧へ行く道路沿いに並べられていたものらしく、その三昧へ行く小路の水路を「三途の川」に例えたのでしょうか、その水路に架かる戸室石の橋が「極楽橋」「地獄橋」と呼ばれていたらしく、言い伝えによるとこの橋は、加賀騒動の大槻伝蔵が失脚後、地元民が伝蔵の邸内から取ってきた戸室石で造られたものだと聞いたことがあります。

 

参考:拙ブログの「大槻伝蔵のさわり」

寺町台“寺活協議会の寺院”承証寺②

http://ameblo.jp/kanazawa-saihakken/entry-12030571228.html

 

 

「極楽橋」は長さ211cm、幅72cm、厚さ33cmの青戸室石。極楽の青い蓮のつぼみを連想させるところから名付けられてそうです。また「地獄橋」は長さ107cm、幅78cm、厚さ23cmの赤戸室石で、地獄の赤い炎を思わせるといわれているそうです。昭和53年(1978)頃市に寄付され、当時、紫錦台中学校の敷地内にあった金沢郷土資料館(現金沢くらしの博物館)に置かれ、現在に至っているそうです。

 

 (しいのき迎賓館まえのスダジイ)

 

そういえば、金沢では「加賀騒動」は今も語り継がれ、大槻伝蔵は、知らない人もいますが、昔と今の評価が言って来るほど違うということでも有名な人物で、没後270年の歳月を経た今も、何年か周期に思い出したように小説になったりドラマ化されたりしています。また、市内には、屋敷にあった「しいの木(しいのき迎賓館)」とか「五葉松(石川護国神社)」それから「地蔵尊(新天地)」「手水鉢(承証寺)」「式台玄関(法船寺)」などがありがます。まだ私が知らないお宝があるかもしれません。

 

 (石川護国神社の五葉松)

 

参考文献:「さきうら」過去・現在・そして未来へ 金沢市崎浦公民館・平成145月発行

 


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