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ひがし茶屋街と秋聲

【旧御歩町とひがし茶屋街】
先日、地元の公民館の方々30人と徳田秋聲記念館の企画展「ひがし茶屋街と秋聲」を見学し、その後、“ひがし茶屋街”から、解説にもありました“浅野川桜馬場芝居小屋跡”まで足を伸ばし散策しました。


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市民が見つける金沢再発見

(徳田秋聲記念館)


「ひがし茶屋街と秋聲」は、記念館の第27回目の企画展で、茶屋街の歴史に始まり、展示(1)秋聲回想記“明治編”、展示(2)秋聲滞在記“大正編”、展示(3)秋聲旅日記”昭和・平成編”で、小説の抜書きや昔の図面、写真、そして当時の机や旅行カバンなども集められていました。


(平成15年に、“ひがし茶屋街”が舞台の映画「秋聲旅日記」の作品解説もあり、分かりやすい学芸員のお話に聞き入りました。)


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(徳田秋聲記念館)


館内は、カメラを使うことが出来ませんが、秋声が自ら“裏通りを二つばかり横ぎっていくと・・・”と書いているように、記念館は、秋声が少年期に住んだ旧御歩町にあり“ひがし茶屋街”は目と鼻の先、写真など撮らなくても、展示を見て学芸員のお話がまだ頭に残ったままの町歩きですから“ひがし茶屋街”へよくいらっしゃる方も、街がいつもとは幾分か違って見えたことでしょう。


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(旧御歩町)


散策は、旧御歩町から、裏木戸のあったところを入り、今は面影もありませんが八幡宮の鳥居や愛宕社の話をしながら今は宇多須神社になっている卯辰八幡宮、菅原神社、旧愛宕3番丁(老松町)中程から旧愛宕2番丁(中ノ町)旧観音町を通り馬場跡へ・・・。


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(宇多須神社)

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(左、菅原神社・突き当たり、宇多須神社)
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(関助馬場跡)


今回は“ひがし茶屋街と徳田秋聲”です。“ひがし“の歴史とか昔話については、展示もされ、また、ネタもかなり収集していますが、またの機会にして、展示で紹介された秋聲絡みの話を幾つか、それも触りだけ・・・紹介します。


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(現在のひがし茶屋街)


~明治編~
企画展では“茶屋街の光と影”として紹介されていますが、秋声の自伝ともいえる小説「光を追うて」には、零落の淵に臨んだ士族の娘たちが密かに身を売ったことなどが書かれているとか、また、企画展のパンフレットには、次兄の別れた妻が、その後生計が立てられず、”ひがし“の芸者になった下りも書かれていました。


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市民が見つける金沢再発見

(ひがし茶屋街)


明治2年山上の建てられた卯辰山芝居が冬季の積雪で営業不振のなり、明治4年馬場の藩政期関助馬場の跡に移され「浅野川桜馬場芝居」が興行されます。秋声は9歳のとき母の連れられて行き、以来芝居好きになったとか・・・。


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(浅野川桜馬場芝居小屋跡、両側は芝居茶屋)


~大正編~
秋声54歳の大正13年8月、次兄の見舞いのため帰省しますが、すでに著名な作家であった秋声は訪問客を避けるため“ひがし”の芸妓屋を営む遠戚の「お絹」の家に滞在します。その辺りのことが短編小説「挿話」の中に書かれていて、大正期の金沢の“ひがし”と“にし”のお茶屋の様子が垣間見えます。


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(ひがし茶屋街)


秋声の父は藩政期加賀八家の横山家の家臣で、次兄もまた横山家が経営する横山鉱業部(北陸の鉱山王と言われた)に勤めます。当時の“ひがし茶屋街は横山一族で持つ“といわれたとかで、横山家の目にかなった一流の芸妓は「横山芸者」と呼ばれたらしい、秋声もそのような縁から、横山家の当主につれられてお茶屋に登楼したなど・・・。


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~昭和・平成編~
料亭「山の尾」は、後に「山乃尾」になりますが、昭和9年秋、すでに64歳の秋声は、次兄の見舞いに再び帰省、山の尾を訪れています。そして、没後60年の平成15年、映画「秋聲旅日記」は、秋声の”金沢もの“といわれる「挿話」「旅日記」「町の踊り場」「籠の鳥」の4編を青山真治監督がオール金沢ロケで作りあげています。


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(山乃尾)


(映画「秋聲旅日記」は、金沢の映画館「シネモンド」主催のワークショップの一環として、竪町商店街との共同企画により製作されました。)


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(秋声が少年期住んでいたところ)


ほんの触りだけ・・・詳しくは、「ひがし茶屋街と秋聲」のパンフレットや秋声の“金沢もの”といわれる小説を、記念館の企画展「ひがし茶屋街と秋聲」は、平成25年7月7日(日)まで開催されています。

(“ひがし茶屋街”の散策の際には、企画展も合わせてご覧になることをお勧めします。)


参考資料:徳田秋聲記念館「ひがし茶屋街と秋聲」のパンフレットなど


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